洞斎山人日乗

ゆうがた、空の下で、身一点に感じられれば、万事に於いて文句はないのだ。

最近の話題から

 キヤノンといえば、経団連会長の母体企業、ものづくり日本復活のカガミ、だけど違法な派遣労働者受け入れはいただけないなあ、ということで、日本メーカーの代表選手として注目を浴びる存在なのである。
(ちなみに私のデジカメはキヤノン製。気に入っている。)
 ここの強みは、会社の事業活動の設計図の根本思想である「事業戦略」と、設計上欠くべからざる重要部品である技術の開発を担う「研究開発戦略」、その技術開発を権利化の観点と、他社技術も含めた技術情報のフィードバックの面からサポートし、事業戦略の有効性を担保する役割を担う「知財戦略」の3つが有機的に連携していることにあるそうな。特に「知財に強い」という評判は、プロジェクトエックス(懐かしい響きだ)やら、どこぞの新書で大いに売れた「キャノン特許部隊」で、広く一般にも知られているところだ。
 ところが、その知財巧者が、特許のかかわる交渉ごとで難儀をしているらしい。この年末から、キヤノン東芝の報道発表がなされた1月半ばまでの間、新聞の産業面や経済雑誌・ITを扱うWebサイトをそれなりににぎわした話題であるが、キヤノン東芝と合弁で進めてきた、TV向けの次世代薄型パネルの開発が、キヤノンの単独事業となった裏に、米国の技術型ベンチャーとの特許ライセンスにかかる交渉のもつれと、その結果としての裁判があるという。
 詳しい話はさっぱり分からんけど、相互の契約解釈の食い違い(許諾された特許実施の範囲や、再実施可能な範囲 等)が、話を複雑にしている面もあるようだ。

 かのキヤノンにして契約締結時に抜かりがあったのだろうか?どう解決がつくのか興味深いところではある。
 ちなみに、裁判については和解のチャンスがあったが、話がまとまらなかったようなので、判決までいってしまう可能性が強いようだ。弁論はこれから行われるようなんで、何が争点であったかは、いずれ判ることだろう。